畑地かんがい事業
畑地かんがいとは
畑作物は長い間雨が降らなかったり、いつもより雨が少ない場合、土地が乾燥して土の中の水分がなくなり、農家が大切に育てている作物の生育が止まったり枯れたりしてしまいます。
そのような場合でも、畑作物の生育に対して常に適切な水分を補給することを「畑地かんがい」と言います。
畑地かんがい事業は、ダムなどの貯水施設、または、頭首工という河川からの取水施設などで水源を確保すると共に、確保した水を用水路を造って、雨が少なく土地が乾燥する時でも、畑で水が使えるようにするための事業です。
事業の目的
農業経営の安定と合理化
この事業は、韮崎市円野町から南アルプス市飯野新田まで寛文年間に開削された延長約17kmの徳島堰用水路を昭和41年に着手しコンクリート水路に改修し漏水を最小限に止め、あわせて徳島堰頭首工を改修することにより安定した取水量を得る事で、北部で西側の急峻な山岳地帯から押し出された砂礫によって形成された低位段丘の既成水田地帯963haと「月夜でも焼ける」と言われた原七郷の常習干ばつ地帯1,733haにパイプラインを通じ導水し末端低湿地水田620haの用水補給を合わせた耕地3,316ha事業地域の農業経営の安定と合理化を図ったものです。
現在は、造成以来40年が経過する中で施設の老朽化が目立ち、平成25年度より国営事業、県営事業により水田752ha、畑1,178haの地積に事業計画を見直し長寿命化対策として施設の機能保全事業を行いながら効率的に用水を供給し農業生産と労働生産性の向上を図っている。
事業の概要
釜無川右岸畑地かんがいの整備概要
- 国営釜無川農業水利事業により、徳島頭首工を改造して水源を確保し、併せて徳島堰の改修により漏水を最小限にくい止めます。
- 確保した農業用水を徳島堰に設置した畑地かんがい用分水口から分水し、国営事業で整備した沈砂池、第一調整池、主幹線、1号幹線、2号幹線、3号幹線を通じて受益地域に送水します。
- 送られた農業用水を、県営事業と団体営事業で整備した基幹管水路、配水管、スプリンクラー等を通じて、受益地内の作物が必要とする時期に必要とする量の水を与えています。
- 国営県営事業(ストックマネジメント)
水土里ネット釜無川は国営・県営・団体営事業で整備した施設を維持・管理しています